6月

記録再開。

玉子を刻む日々。

小さなマンションの細長い部屋を借りて、春に引越しをした。
特に書くことが思いつかないくらい、つるっとした生活。
毎日あくびを喉の奥へ、奥へ奥へと押し込んでは、退屈と手を取り合う。

こちらに引越した頃は、あくびは4月の陽気のせいだと思っていたけれど、どうやら関係ないよう。
きっと北風に吹かれる季節にも、くしゃみをしながらあくびを堪えている。器用。


三軒茶屋


「そうそう、一昨年くらいかな?お正月の時とかも、叔母さん。べろんべろんで。」「べろんべろん?」「そう、もう大変だったの。タクシーの中では歌いだすし。」「いいね。」「よくないよ。なんかヘンテコな演歌。もう、本当に。大変だったんだから。玄関でもふらふらで、わたしずっと肩貸してさ。」「それでまた、やらかしちゃったの?」「うん。話だとあれ以来、お酒は控えていたらしいんだけどね。」「君の成人のお祝いで、」「うん」「そっかそっか」「叔父さんのことで、寂しかったのもあるんだと思う。」
「そうかもね。」